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先天性心疾患

動脈管開存症

動脈管は 赤ちゃんがお母さんのお腹の中で大きくなる為には絶対必要な血管で、生まれると自然に閉じます。自然に閉じないと、大動脈から肺動脈に血液が流れ、心臓と肺に負担がかかるため、手術が必要となります。

症状

呼吸が速い、ミルクの飲みが悪い等
細いと心雑音だけで、全く症状がないです。

手術

太い動脈管は、手術により結紮または切断します。背中の左側、肩甲骨の下を斜めに切開し、手術を行います。
治療時期:生後数日から数ヶ月

細い動脈管は、心臓、肺への負担はほとんど有りませんが、血流の乱れにより、血管の内面が凸凹になり、細菌がつき、感染し易くなります。(感染性心内膜炎)
このため、手術による結紮かカテーテルによる閉塞を行います。
治療時期:数ヶ月~数才

心房中隔欠損

心臓にはポンプの役割をする心室とその前室にあたる心房がそれぞれ左右一つずつあり ます。左右の部屋の血液が混ざりあわないように壁が有り、それをそれぞれ心室中隔、心房中隔と呼びます。

心房中隔に穴があいている状態を心房中隔欠損と呼び、左房から欠損孔を介し、右房を通過し右室へ血液が吸い込まれ、結果的に肺への血流が増えます。

症状

肺への血流が増えますが、幼少期には症状はほとんど出ません。就学時検診で始めて見つかる事も有ります。時に乳児期から心不全症状で見つかる事も有ります。

手術

無症状では、体重12kg以上で無輸血、小切開手術を目指します。症状が有る場合は、体格に関係なく適切な時期に行います。症例によりカテーテルによる閉鎖が可能です。ご相談下さい。

心室中隔欠損

心室中隔に穴があいている状態を心室中隔欠損と呼び、圧の高い左室から低い右室へ血液が押し込まれ、肺への血流が増えます。先天性の心臓病の中で、最も頻度の高い異常です。

症状

小さな欠損孔の多くは、2歳までに自然閉鎖します。
大きな欠損孔は、肺に多く流れ、その分左室に戻る血液が増えるため、心臓の負担も多くなり、心不全症状(多呼吸、哺乳不良、体重増加不良)を来します。症状は生後数ヶ月で強くなります。

穴が小さく閉鎖しなくても、大動脈弁への影響、感染性心内膜炎の可能性などから症状がなくても手術により閉鎖します。

手術

無症状の場合、就学前、体重 12kg以上を目安 無輸血、小切開手術を目標とします。症状が有る場合は、体格に関係なく適切な時期に人工心肺を用い、心臓を止めて人工布(ゴアテックス)で閉鎖します。

ファロー四徴症

チアノーゼを呈する病気で最も頻度の高いものです。
解剖学的には、右心室の出口(右室流出路)が細くなりかつ心室中隔に孔(心室中隔欠損孔)が開いています。このため右心室からの静脈血が肺へ流れにくくなり、 心室中隔欠損孔 を通って全身に流れチアノーゼが生じます。

生後肺への血流が少なくチアノーゼが非常に強い場合は、生後1ヶ月で人工血管を鎖骨下動脈と肺動脈の間につなぎ、肺へ流れる血液量を多くする手術(シャント手術)を行います。

時に 右室流出路 の筋肉の収縮が強くなり、更に肺への血流が減少してチアノーゼが強くなる場合があります(無酸素発作)。この場合は、筋肉の収縮を押さえる薬(βブロッカー)を根治手術まで内服します。
心内修復手術は生後半年から1歳までに行います。手術は右室流出路を広くし、心室中隔欠損孔を人工布で閉じます。当院ではなるべく肺動脈弁を温存する手術を選択しています。

チアノーゼに対する手術とは?

チアノーゼ(血液中の酸素の濃度が低い状態)をもった子供たちは、心臓の中で、全身から戻ってくる酸素濃度の低い血液(静脈血)肺から戻ってくる酸素濃度の高い血液(動脈血)が混ざっています。

チアノーゼをなくすために二つの手術方法

解剖学的根治手術

心臓の壁に穴が開いていたり(ファロー四徴症など)、心臓につながる血管に異常(総肺静脈還流異常症など)があり、チアノーゼが生じている場合 、その異常部位のみを、解剖学的に直します。これを解剖学的根治手術と呼びます。
手術の時期、内容は、病気によって違いますが、2歳までにはすべての手術が終わる事を目指しています。

機能的根治手術

左右心室の内どちらかが十分な大きさがない場合、ないしは最初から一つしかない単心室の場合は、二つの部屋に分けて修復するのは困難です (三尖弁閉鎖、左心低形成症候群など)。この場合は、その心室は全身へ血液を送り出すためだけに使います。
 では、肺への血流はどうするのか?
 全身から心臓に静脈血を戻す血管(上大静脈、下大静脈、時に肝静脈)を、心臓から切り離し、肺に静脈血を送る血管(肺動脈)に直接つなぎ、静脈血が肺へ直接流れるようにします。心臓には肺から動脈血だけが戻ってきます。これで、静脈血動脈血が心臓の中で混ざらず、チアノーゼが起こりません。これを機能的根治手術と呼び、一般的にフォンタン手術[Fontan手術]と呼びます。またフォンタン手術の準備手術として、上半身の静脈血だけを肺へ直接戻す手術を両方向性グレン手術[Bi-directional Glenn shunt]と呼びます。これらの手術を総称して右心バイパス手術とも言います

フォンタン手術  -単心室に対するチアノーゼをなくす手術-

肺への血流が増えますが、幼少期には症状はほとんど出ません。就学時検診で始めて見つかる事も有ります。時に乳児期から心不全症状で見つかる事も有ります。

フォンタン手術が成功する為には

フォンタン手術後は、心臓というポンプを使わずに肺の中を血液が通過する為に、肺の中を血液が通過し易い(肺血管抵抗が低い)条件が必要となります。また一旦肺へ流れた血液は今度は心臓が吸い込みます。このため心臓が血液を吸い込む力が強い(コンプライアンスが良い)方が有利です。より良い条件を得る為に、フォンタン手術を行うまでにいろいろな準備をすることになります。

フォンタン手術への道のり

生まれてすぐの赤ちゃんの肺は、生理的肺高血圧という肺の血管が流れにくい状態です。生まれてすぐ、右心バイパス手術は出来ません。この肺高血圧が落ち着く生後4ヶ月位までは、他の方法で肺へ流れる血液を確保します。
それらの方法が、
全身に行く動脈と肺動脈を人工血管で繋ぐシャント手術
肺動脈の太さを調節をする肺動脈絞扼術(肺動脈バンディング)
左心低形成症候群ではノーウッド手術になります。
 生後4~6ヶ月に、上半身の静脈血だけを直接肺に戻すために上大静脈と肺動脈を直接つなぐ両方向性グレン手術を行います。この手術後は、まだ下半身の静脈血は心臓に戻り、肺からの動脈血と混ざりますから、チアノーゼは無くなりません。
 しかし両方向性グレン手術以前は、心臓は体への血液と肺への血液の両方を送り出していたのですが、この手術により、心臓は肺への血液を送り出す必要が無くなり、負担が減ります。

両方向性グレン手術を乗り切ってくれると、いよいよフォンタン手術です。1歳前後に心臓カテーテル検査で、肺、心臓の評価をし、体重10 kgを目標にフォンタン手術を行います。フォンタン手術はゴアテックスの人工血管を使い、下大静脈と肺動脈をつなぎ、下半身の静脈血を肺へ直接流します (Extracardiac Fontan手術)。体重10kgは大人サイズの人工血管を使う為の目安です。
 さてフォンタン手術が終わりますと心臓には肺からの動脈血だけが戻ってきますからチアノーゼが無くなります。しかしフォンタン手術後は、ポンプなしで静脈血が直接肺に流れるため、通常の状態より血液の流れが遅くなり、血管の中で血液が固まりやすくなります。従って手術後は、抗血小板剤というお薬を飲み続けてもらうことになります。ただし、特に日常生活に支障を来すものではありません。
 以上フォンタン手術について説明しましたが、詳しいことをお聞きになりたい方、質問のある方は、いつでもご連絡ください。ご質問にお答えします。

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