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ステント治療

ステント治療

ステントグラフト内挿術はカテーテルを用いて動脈瘤の治療を行う血管内治療の1 つです。ステントグラフトは金属製の特殊なバネと人工血管で出来ています。このステントグラフトを小さく折りたたみ、シースと呼ばれる管を用いて下肢などの動脈から治療目的とする動脈瘤の位置まで運搬し、大動脈に拡張固定します。ステントグラフトにより動脈瘤内の血流を遮断し動脈瘤を血栓化することで破裂を予防します。(写真1)

  1. 人工血管置換術
  2. ステントグラフト内挿術

腹部大動脈瘤とステントグラフト内挿術による治療(写真1)

ステントグラフト内挿術は従来の人工血管置換術と比較して、患者様の体に優しいことが大きな特徴です。具体的には、開胸、開腹をすることなく動脈瘤の治療を行うことが可能であり、特に胸部大動脈瘤の場合には、人工心肺装置(当ホームページ内の手術について;後天性心・血管疾患をご参照下さい)を使用せずに治療可能です。創部が小さいため痛みを軽減でき、早期リハビリが可能となりました。多くの患者様が術後約1 週間から10 日前後で退院し、社会復帰を果たしております。また、開胸・開腹による人工血管置換術が困難な患者様や高齢で手術をあきらめていた患者様にとっては、新たな治療の選択肢となっています。

現在、国内で市販されているステントグラフトは胸部大動脈瘤用が1 種類(写真2)、腹部大動脈瘤用が3 種類(写真3~5)あります。これらの使用にあたっては、手術を行う病院の施設認定と手術を行う医師の実施医認定の2 つが必要です。2009 年1 月現在、当院は全てのステントグラフトの使用が認められている岩手県内で唯一の病院です。また、手術の専門である心臓血管外科医と、カテーテル治療の専門である放射線科医または循環器内科医が共同で手術を行うことも当院の大きな特徴です。共同で手術を行うことにより、安全で質の高い治療が達成できるように取り組んでおります。

当院では動脈瘤の位置や患者様の全身状態等により人工血管置換術とステントグラフト内挿術のどちらの治療方法を選択していただくかを総合的に判断し、治療を行っています。

米国ゴア社製タグ(胸部大動脈瘤用)とタグを用いた胸部大動脈瘤治療 (写真2)

米国ゴア社製エクスクルーダー(腹部大動脈瘤用)(写真3)

クック社製ゼニス(腹部大動脈瘤用)(写真4)

米国エンドロジックス社製パワーリンク(写真5)

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